☆ 自作短編小説 「地球人の話と宇宙人の話」 ☆

異常気象により、転変地変が世界各地で起き続け、やがて人類の人口も局部的に増加するようになった。

世界各国の主要都市ばかりは、何故か被害が少なく、そこに人口が集中していた。

異常気象・転変地変などに負けず、自然というものを支配しようと、科学者や学者は躍起になった結果、地球のテクノロジーなどの科学技術は、物凄く発達し、一昔前に比べると、SF小説に描かれていた超未来文明があっという間に現実化したような時代になっていた。

しかし、地球の自然相手に専念しなければ生き残れなかったため、宇宙技術の開発などは後回しにされ、宇宙人は、そんな地球人をそっと見守りつつ、テレパシー(テレ・エンパシー)により、ちょっとずつではあるが科学技術と精神レベルの向上を導いていたのであった。

しかし、地球人は、生まれ変わりにより地球に肉体をもった魂たちの精一杯の活動にもかかわらず、一向に好戦的なままの状態が続いていた。

だから、戦争が起きるのは必至であった。

そんな戦場である陸地の上空や、戦闘機の乱れ飛ぶ現場にUFOを飛ばす宇宙人。

「おい、地球人!争うのは止めて、こっち向け! ほら、こっちと想えば、またあっち。あっちと想えば、またこっち。こっち向いて、ホイ!
あっち向いてホイ! 蝶のように舞い、蜂のように刺さない!ボク、歌うからモハメド・アリはアリエナイ!」

気を反らせようとしても、焼け石に水。

ただ、神とも言える宇宙は、調和と秩序と平和で成りたつ空間である。

それらを乱す波長や波動を放つ地球を黙って置くはずが無かった。

宇宙人が手を出すまでも無く、自ら放ったそのものの作用と反作用の法則、もしくは因果応報の法則とも言えるもので、自分達人類の存在する次元空間の中、誰もが密かに信じている救いを得られることは赦されず、次第にその文明は逆行し始めた。

あまりにも高度に発達した武器技術により、戦争当事国の武器保管基地などは壊滅し、防衛技術の発達によるレーダーや迎撃技術により、空間で様々な核搭載のミサイルやクラスター爆弾も破壊されつくし、やがて戦争当事国は、あらゆる武器そのものを所有できなくなった。
2010年当初生きていた人類ですら過去の武器としている手榴弾や日本刀やサーブル剣ですら、である。

当然、軍隊の隊員を輸送する航空機や車輌や戦艦類・潜水艦も無くなっていた。

それでもまだ、争うことをやめず、戦争を続けようとする地球人。

戦争当事国の兵士たちは皆、地続きの道無き道を遠路歩き続けて移動し、その途中湖や川や海があれば、泳いで渡っていた。

「おい、まだかよ~?いい加減、腹減った・・・。いつになったら着くんだ? おれ、もうイヤになってきた・・。」

戦争は、殴り合いや蹴飛ばしあい、小突き合いにより行なわれていた。
ちょっと良くて、その辺に落ちている小石や棒っ切れの投げ合いであった。

だから、
「このやろ!掛かってきやがれ!どうした?怖いのか?」

と、どこかの国のどこかの地方の言葉で言い合って、なかなか取っ組み合いにはならない。

皆、へっぴり腰である。

「ほれ、来い!どうした?えっ!」(○○語)

「あいつ、にらみやがる。気分わりーなー。にらみかえしてやるからこっち来てみろ。因縁つけやがって!」(◆◆語)

と言っても、これは、長い距離移動しても、幸いにして気力・体力が残っている兵士の場合。

大体は、戦場に辿り着く途中でくたばっていて、取っ組み合いなどする気力も体力もないのが99%。

睨み合ってみるものの、戦争などで自分の命を失うことなどや、擦り傷切り傷、打ち身・捻挫などしたくもない、自分のことばかり考えるエゴイストばかりの集団。

たまに語学の達者な兵士が、相手国の言葉で野次るが、言葉による暴力行為にしかならなかった。




やがて、時間は黙っていても通り過ぎていく。

「もう、夜か。眠いよ・・・寝ようっと・・・。彼女どーしてるのかなぁ?・・・抱きてぇ・・・やりてぇ・・・」

(その頃、兵士の帰りを家で待つ女性は)
「あのひとぉー、どぉしてーいるーかーしぃらぁー、うわさも、聞けぬこのごごーろは、想いー出ざあけぇにーよーぉうーぅぅぅばーかーりーぃ・・・。」



(再び戦場)
「あれ、あっちの野郎、寝てんじゃねーか?・・・んん?・・・あれ、女じゃねぇか?・・・こっち手招きしてる!・・行くしかねぇ!!」


(戦場の草むら)
「あ~ら、ようこそ!・・・慰めてあ・げ・る!」(△語)

「うぉぉー、いい身体!・・・久し振りだ!我慢できねぇ!」(×語)

ガサゴソ、ガサゴソ、ズルズル・・パコパコ・・・

「あぁー・・・・」「おおぅー!・・」


・・・・・・・そして、夜が明け、朝が来る。

「食料あるかな?水あるかな? 飲み食いせずに、イクサはできぬ! 腹に何か入れなくっちゃ!・・・あれっ?・・どこだっけ?・・・・・んん、・・・・・あった!でも、これっぽっちか・・・」

そんなつぶやきが両方の国の兵から漏れる。



だから、結局、戦いになど成ろうはずがない。

やがてお互いに歩み寄り、握手をし、ハグをし、微笑みあう事を覚えた。

残り少ない食料を分け合うことを覚えた。

そんなわけで、世の中は微笑みに溢れ、愛に溢れ、平和で調和がとれて、争う事を止めた為、国という垣根もなくなり、地球という惑星に存在する生き物すべてが秩序のとれた生態系を取り戻し、今度は魂のレベルが物凄く発達し始めた。

だんだん宇宙人も安心してきて、地球人を宇宙の仲間として受入れることができるようになった。

地球人は、宇宙銀河の共同体の一員として認められ、交流も大っぴらに平然と行なわれるようになった。

(宇宙公用語で)
「なぁ、地球の!地球のどこから来た?」

「おれかぁ?おれは、アジア州日本県北海道市札幌町字○○から。おまえさんは?」

「わてか?わては、ハート型星雲州の××星県庁所在地字ホニャララ。」

「初めて会った気がしないね!これ食べナ!ジンギスカンっていう食べ物だよ。それと、ガラナって言う飲み物。」

「おぉー。デリシャス!!感謝す!!カムサハムニダ、パンにハサムノカ?」

「そのまま、ハシっていうアジア州でポピュラーなツール(道具)使うんだ。それにしても、ヨーロッパ州イギリス県やアジア州コリア県の方言、よく知ってるね!」

「わては、ほんまは、アジア州日本県の大阪市東淀川町に潜入して、短期間住んどったことがおまへんねん。で、旅行兼ねて、イギリス県やコリア県なんかにちょくちょく行っとったんよ!」


きょうも、そんな会話が、太陽系星団金星のあるキャンプ場で交わされていたのであった。

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